製造業界は非常に変化の速い業界として知られ、日々新たな技術や製品の発表に関するニュースが発表されています。
これらのニュースをチェックすることで、業界のトレンドや顧客からの需要を把握し、自社事業の参考にしていく必要があるでしょう。
そこで今回は、製造業に関連する最新ニュースや発言を、2022年7月のトピックを中心にご紹介します。
これらの情報をチェックすることで新たな事業のアイデアを生み、自社のさらなる発展につなげましょう。
ここでは、製造業における最新の製品関連ニュースをご紹介します。
アーク(ARRK)は、2022年7月20~22日の期間に東京ビッグサイトで開催されたTECHNO-FRONTIER 2022にて、ロボットのデザインから生産までをパッケージとしたソリューションを紹介した。
アークは1948年に創業し、ロボットの開発やデザインに関する支援を行ってきた企業だ。
2020年に三井化学の完全子会社となって、現在では多数の海外拠点も構えて企業活動を続けており、日常に利用するロボットから体に装着するタイプのロボットまで、さまざまなロボットのアイデアを形にしている。
「アークパッケージソリューション」と題され、今回発表されたソリューションは、需要が多く寄せられているロボット市場の需要に対応するためのものとして提供されている。
このソリューションは独自のロボットを開発したいものの、リソースやノウハウを持たない企業をサポートするものとして大きな期待を寄せられている。
2022年7月21日、BYD(ビーワイディー)は日本において乗用車の販売を行うことを発表した。
電動自動車の販売を行っているBYDはこれまで日本において乗用車の展開は行っておらず、今後も電動バスによる公共交通機関の電動化に着手する予定だった。
しかし、電動乗用車販売に関する要望が多方面から寄せられ、方針転換を行って今回の発表に至った形だ。
本事業に合わせて販売会社であるBYDオートジャパンの設立、日本における乗用車販売体制の拡充の方針も打ち出した。
日本における電気自動車の市場はまだまだ発展途上の段階で、今回のBYDによる電動乗用車参入は、日本の電気自動車市場に好影響を与えることが期待されている。
2023年初頭より3車種を展開していく予定だ。
IHIエアロスペースは、2022年7月20~22日に東京ビッグサイトにて行われた、第8回 国際ドローン展にて重量物の運送に優れた「i-Gryphon」の試作品を展示した。
IHIエアロスペースは宇宙開発や航空機エンジンの開発等を主な事業とする企業で、ドローンを含むさまざまな技術に関する研究開発を行っている。
今回試作品が展示されたi-Gryphonは、エンジンと電気モーターを利用することによって一般的なドローンよりも長時間重量物を運送することを実現している製品だ。
従来のドローンでは重量物(約30kg)を積んだ場合には飛行時間は長くとも10分ほどだったところ、本製品では約50分、距離にして約50kmの運送を実現している。
これによってこれまで運送が難しかった離島や山岳部への運送に利用されることが期待されている。
2024年の発売を目標に現在実証実験を行っている段階だ。
ここでは、製造業における最新の技術関連ニュースをご紹介します。
アイ・ロボティクス、ネクストウェア、ZenmuTechの3企業は2022年6月13日、ドローンをはじめとした移動型ロボットのデータ保護を強化する秘密分散アルゴリズム技術の開発を発表した。
「インテグリティ・ドローン」と呼ばれるこの技術は、機器に備わったデータを分散片と呼ばれる複数のデータに分け、全ての分散片を集めない限りデータの復元をできないようにする技術だ。
機器の通信が途絶えた際に自動的にデータの無意味化がされることに加え、外部からの通信によってデータの無意味化を行うことも可能となっている。
このような自動的なデータ保護機能によって、機器を紛失した際や意図的に悪意を持って回収された際などに機器の持った機密情報等を保護することができる技術として今後のさらなる発展が期待されている。
本技術は現在技術検証の段階に入っており、今後はドローンのほかにも航空機や防衛装備関連機器への利用も予定されている。
ユビテックは2022年7月8日、AIと有人監視によって現場の従業員の労災を防止するモニタリングサービスを開始することを発表した。
「Work Mate」と呼ばれる本サービスでは、製造現場で働く従業員がスマートウォッチを装着することで心拍や周囲環境を把握。
収集されたデータによって熱中症をはじめとした身体の危険があると判断された場合には、スマートウォッチを通じて従業員に休憩等を催促できるアラートが送信できる機能が備わっている。
また、収集したデータはAIが自動で学習を行い、それらのデータをもとに従業員の体調や個人の特性などの精度を高めていくことも可能だ。
体調不良のほかにも、従業員が転倒した際などに発せられるアラートなども用意されており、過酷な環境にもなりやすい工場などの現場作業の労災防止に期待が寄せられているサービスだ。
2022年7月12日、セールスフォース・ジャパンが製造業におけるアフターサービスをサポートする「Manufacturing Cloud for Service」の国内展開をスタートした。
本サービスは近年製造業界において注目されている、製品の価値以外に目を向けた、高度なアフターサービスなどのサポート体制を重視した自社サービス実現の助けとなるものだ。
CRMで記録した注文履歴や契約状況などのデータを分析して、アフターサービスに必要となるスペアパーツ等の顧客からの需要を予測することが可能となっている。
製品の導入数やサービス需要、故障率などに関する予測を行うことでアフターサービスの最適化に貢献することだろう。
さらに、顧客アンケート機能が存在することも本サービスの魅力の一つだ。
製品を提供しアフターサービスを体験した顧客からフィードバックを得ることで、さらなる製品やサービスの改善に利用できる充実のパッケージとなっている。
今回は、製造業に関連する最新ニュースや発言を2022年7月のトピックを中心にご紹介しました。
最新のテクノロジーや技術を利用したサービスを中心にご紹介したため、製造業界のトレンドを把握する一助にしてください。
製造業界では常に最新の製品が発表され、トレンドによって関連製品や部品の需要が大きく変わってきます。
最新のニュースを把握することが自社の経営方針を左右することもあり、その判断は時流に合わせて迅速に行う必要があります。
製造業に関する最新ニュースを常にチェックして、業界のトレンドに合わせた事業を展開していきましょう。