自社の業務プロセスに無駄が多いと感じたことはありませんか。
業務プロセスの見直しを行って簡素化できる業務を改善することは、自社の生産性を向上させるとともに、従業員の労働環境の改善ともなるため、企業全体の変革にもつながります。
業務プロセスの改善は、いつから始めても遅すぎることはありません。
今回は、業務プロセス改善のメリットや手順、改善に際しての注意点をご紹介します。
業務プロセスとは、企業で利益を創出するための仕事の流れや、各従業員の日々の業務内容の流れを指す言葉です。
業務プロセスを改善すべき理由は、業務に内在する無駄な工程やコストを削減することによって、自社の利益向上や従業員の労働環境の改善を実現するためです。
近年ではデジタルツールによるDXの推進を行う企業も増えてきているため、デジタルツールを利用した業務プロセスの改善を行うことも有効な手段といえます。
業務プロセス改善には、以下のようなメリットがあります。
自社の生産性向上を成功させたければ、業務プロセス改善は必須です。
業務の中には省くことのできるプロセスが存在することがしばしばあります。
これまで手作業だったデータ入力の自動化などはその代表例といえ、業務負担が減った従業員を他の業務に配置することも可能になり、マンパワーの向上にもつながります。
また、部署間で重複していた作業を一本化したり、協力を強化したりすることで、これまで各部署で発生していた作業の効率が大きくアップするといったケースも考えられます。
このように、業務プロセス改善は生産性向上に有効となるため、身近なところから改善を行ってみましょう。
従業員の労働環境の改善につながることも、業務プロセス改善のメリットです。
自動化、ペーパーレス化、クラウドサービスの利用など、デジタルツールを利用した業務プロセスの改善は従業員の労働環境を大きく改善してくれることでしょう。
自動化できる単調な作業や、無駄な作業がなくなれば、コアな業務に打ち込むことができ、仕事のやりがいが向上するメリットもあります。
業務プロセス改善を行うことで残業の削減する効果も見込め、ライフワークバランスの確保にもつながります。
また、これまでオフラインでしか対応できなかった業務をオンラインで完結できるようにすることで、従業員が出社する回数を減らすといった働き方の自由度についてもメリットがあります。
業務のブラックボックス化の防止につながることも、業務プロセス改善のメリットです。
業務プロセス改善を行う中で明らかになった業務内容を体系化し、従業員間で共有することにより、これまで特定の従業員しか担当していなかった業務の内容も周囲の人が把握できるようになります。
業務が属人化してしまうと担当者以外の従業員がその業務を行えない状況になってしまうため、業務全体の効率が低下します。
また、該当業務にトラブルが発生した際や、特定の担当者が退職してしまった場合、属人化していると対応が難しくなるリスクも発生するため、業務プロセス改善によって対策することが重要です。
業務が属人化・ブラックボックス化してしまっている場合、特に、業務プロセス改善によって業務を透明化することは、業務と従業員間の円滑化に大きな効果をもたらすでしょう。
ここでは、業務プロセス改善のおおまかな手順をご紹介します。
まずは現状の業務プロセスを分析するところから始めましょう。
現在の業務プロセスにどんな問題があるのかを把握することで、改善すべき業務を特定できるでしょう。
分析を行う際には、各業務を細かく分けて具体的な業務内容を可視化することで業務全体の組み換えがしやすくなります。
現場で仕事をする従業員の声も集めつつ、経営面や従業員の労働環境といった視点から業務プロセスの現状を把握しましょう。
現状の業務を分析したら、分析した業務プロセスの中から最優先で着手していくべき課題を考えます。
業務プロセスの改善には少なくない金銭的・時間的コストがかかるため、業務プロセス改善を行うメリットが多いと思われる業務を優先して改善することが大切です。
また、費用対効果だけでなく、効果が出るまでにどれくらいの期間を要し、実際にどれほどの効果が見込めるかという再現性等も考慮して優先度を決定しましょう。
改善すべき業務を特定したら、次に改善策の提案および実践を行います。
改善策を講じる際には、その改善によってどんなメリットが得られるかをしっかり確認することが重要になります。
業務プロセス改善を通じて特に達成したい目的がある場合には、その目的に沿った改善策を講じるようにしましょう。
また、改善策の実践は手軽に達成できるものから始めるとよいでしょう。
業務プロセスを改善しても効果を実感するまでには時間がかかるため、まずは小さなところから着手し、少しでも業務プロセス改善の効果を実感できる環境を作ることが大切です。
効果を実感すればどんな改善策が有効か判断しやすくなるうえ、従業員の業務プロセス改善に対するモチベーションアップにもつながるはずです
業務プロセス改善を実践したら施策が有効であったかどうか評価を行い、改善策を検討します。
想定していたような効果を得られなかった場合には、改善方法そのものを見直す必要があります。
なぜ思ったような成果があがらなかったのか、その原因を分析して次の改善策の検討を行いましょう。
業務改善においてもPDCAを繰り返すことで、業務プロセス改善に関するノウハウも蓄積していき、さらに効果的な改善を行えるようになるでしょう。
ここからは、業務プロセス改善にあたっての注意点をご紹介します。
業務プロセス改善に際しての注意点としてまず述べるべきは、具体的な改善方法を挙げていないというケースです。
業務プロセスの改善に際しては漠然とした目標ではなく、具体的な施策を挙げることが効果的な業務改善につながります。
「無駄な業務を削減する」といった漠然とした目標では、実際に何をしてよいかがわからず、効果的な施策を行うことは難しいでしょう。
経営陣から従業員へ業務改善の指示を出す際にも、目標や手順をしっかり提示して具体性のある施策を行うようにしましょう。
業務プロセス改善にあたっては、現状を適切に評価できていない場合も注意すべき状態だといえるでしょう。
現状の業務を評価することができなければ、改善すべき業務もわからないうえに改善を行った際の効果もはっきりとわかりません。
その業務を行うことで得られている成果や重要度など、各業務を評価するための基準を設けるようにしましょう。
業務プロセス改善を行う中でも逐一現状の評価を行って問題点を抽出し、PDCAを繰り返しつつ業務プロセス改善を行える環境を整えましょう。
従業員に業務プロセス改善のメリットが浸透していない場合も、注意すべき状況といえるでしょう。
業務プロセスの改善は自社の生産性向上を目指すための施策であると同時に、従業員の働き方を改善するためのものでもあります。
自社の業績を向上させたい経営層にはもちろん、現場で業務に携わる従業員にも大きなメリットがあるのです。
このような業務プロセス改善によるメリットを従業員が理解しているか否かは、業務改善へのモチベーションを左右する要素となるでしょう。
今回は、業務プロセス改善のメリットや手順、改善に際しての注意点をご紹介しました。
業務プロセスの改善を行って無駄な業務を削減すれば、従業員が他の業務に携われるようになるため、自社全体のマンパワーの向上につながります。
また、従業員の労働環境の改善にもつながるため、従業員のモチベーション向上による生産性のアップも見込めます。
企業・従業員の双方にメリットをもたらす効果的な業務プロセス改善を行って、自社のさらなる発展につなげましょう。