「なかなか売上が伸びない」「成約に結びつかない」と悩まれる製造業者の方は少なくありません。
売上アップが思うようにいかない原因には、販売戦略をうまく立てられていない、もしくは戦略の方向性が適切でない場合があります。この記事では、製造業で売上アップを狙うポイントや方法をご紹介します。
製造業において、売上アップにつなげる方法を具体的に次の3つにまとめて解説していきます。
まずは、シンプルですが顧客を増やすことがポイントです。ただ当てずっぽうに売り込むのではなく、見込み客、つまり売りたい製品に興味がある人を獲得することが大切です。製品に興味がない相手にいくら売り込んでも、売上にはつながらず、無駄な時間を費やすことになります。
また、見込み客は興味があるだけで、その商品を購入するかどうかはまだ決定していません。見込み客を獲得したら、新規顧客に育てるため、製品の良さをアピールし、購入特典などのアプローチをすることが大切です。
商談や展示会などで製品を紹介し、受注に至る数を増やすことが大切です。そのためには、商談における営業スキルが問われます。
実績がいい営業社員のスキルを共有したり、営業社員の研修を行ったりするなど営業スキルの向上を図ることで成約数を増やすことができます。
また、商談の数を増やすだけでは不十分です。見込み客と思われるところに絞ってアプローチをすることで、案件数を増やすことができます。
製品そのものの価格を上げて、単価を上げる方法です。
もともと製品の価格を知っている既存顧客からすると、たとえいい製品であっても同じ条件での値上げは厳しい目で見られることもあるでしょう。価格を上げる際には、何か付加価値をつけるなど、受注金額アップの理由に関して十分な説明をする必要があります。
また、金額アップの場合は慎重にし、製品と見合った価格設定をすることがポイントです。
ここでは、売上アップにつなげるための見込み客の増やし方について、4点解説します。
同じような製品を取り扱っている競合他社が多い場合、他社と自社の製品はどこが違うのか、他社にはない自社製品の強みは何かを明確にしておくことで、他社との差別化ができます。
見込み客から選ばれるためには、自社だけのアピールポイントをいくつか持っておくことが重要です。
競合他社との差別化を図る3つのポイントがこちらです。
まずは市場調査から始めましょう。消費者のニーズやトレンドの流れ、競合他社の動向などを調査します。
その上で、他社とは違う自社製品の強みは何なのかを分析して、アプローチをしていくことが必要です。さらに、販売する市場はどこかを明確にし、市場に合わせた製品を売り込める体制を整えることがポイントです。
自社サイトが古くなっていないか、見込み客から見やすいサイトになっているかどうかを見直すことで、購入や成約につながる可能性が高くなります。
現在は、コロナウイルスの影響で展示会が縮小されたり、商談がオンラインになったりするなど、実際に製品を見てもらう機会が減った企業も多いのではないでしょうか。そこで、売上アップにつなげるために、自社サイトを見直すのもひとつの方法です。
「かっこいい、スタイリッシュ」というだけのサイトにするのではなく、第一に考えるのは見込み客にとって、使いやすく魅力的であるか、ということです。
そして自社の強みや、他社との差別化を打ち出せるような改修ができるといいでしょう。
現在、さまざまな企業がメールマガジンやSNSを利用して自社の製品をアピールしています。
SNSの普及により、情報を得るツールとなったいま、InstagramやTwitterなどを使わない手はありません。顧客の都合で展示会に来られなくなった場合でも、SNSで商品を紹介していれば、顧客は隙間の時間で閲覧することができます。
また、メールも効果的です。顧客全員に送るメールマガジンや、段階的にメールを送るステップメール、ターゲットを絞ったターゲティングメールなどがあります。目的に合わせたメールを効果的に送信することで、より顧客のニーズに届きやすくなるでしょう。
展示会はさまざまな業種で開催されています。自社で見込み客を集めなくても、展示会を開催するだけで見込み客を集めることができるため、効果的な方法です。展示会では、受注につなげたり、案件数を増やしたりするために、営業スキルの高い社員を配置することがポイントです。
ここまでは主に、新規顧客や見込み客にアプローチすることについて解説してきましたが、既存の顧客も大事にすることを忘れないようにしましょう。
既存顧客は、自社の製品に一度でも興味を示してくれた方たちです。大切なのは今後も継続して購入・利用してもらうことです。ここでは、既存顧客も引き続き大事にするためのポイントを解説します。
「既存顧客だけ」という特別感のある打ち出し方で、サービスや特典を提供することも大切です。もしあなたの企業が世間に認知されているのであれば、既存顧客のこれまでの協力があってこそです。
特別価格での提供や限定製品の紹介など、既存顧客だけが受けられるサービスを提供するのも売上アップにつながります。
既存顧客に引き続き発注してもらうには、信頼関係を構築することが大切です。
「顧客の方のためだったら」という気持ちで接することや、できるだけ顧客の要求に応える姿勢を見せるなど、今後も良い関係性を築いていけるように努力することが大切です。そうすることでリピート率が上がり、ファン化につなげていくことができます。
既存顧客はもうすでに、自社の一つ以上の製品を知っており、魅力的に感じてくれている何かがあるはずです。「次に出る製品は何かな」と楽しみにしている既存顧客もいるかもしれません。
引き続きリピート購入をしてもらうためには、新規・既存にかかわらず、魅力的な製品を届け続けることが大切です。見込み客からリピーター、ファン化まで進めば、顧客が自社の紹介をしてくれたり、SNSで発信してくれたりする可能性が高くなります。
製造業者は製造だけに特化しているところもあれば、発明から販売までを行うところも多数あります。
顧客が喜んでくれているポイントを探し、適切な販売戦略を立てて売り込みましょう。
製造業で売上アップを図るには、さまざまな方法があります。各方法を見ると一見シンプルなように見えますが、それぞれを複合的かつ効果的に組み合わせ、戦略の方向性に沿って実行していくことが大切です。見込み客には自社の良さや強みを知ってもらい、既存顧客には継続して取引をしてもらうために、様々な手法でアプローチをしていきましょう。
また、結果の検証をすることも重要です。戦略的に販売を行った上で、その結果がどうだったのかを検証し、次の企画、製造、販売に活かしていくことで、売上アップのサイクルにつながるでしょう。