顧客を獲得するため方法として、チラシや訪問営業といったプッシュ型のアプローチ法が一般的に知られています。しかし、従来の方法だけで顧客に認知してもらうことは難しくなりました。このような状況で、注目を集めている方法はコンテンツマーケティングです。
有益なコンテンツを作成や発信することで自社の存在を広めることができます。ここでは、BtoB向けのコンテンツマーケティングについて解説しています。
コンテンツマーケティングとは、見込み客に価値あるコンテンツを定期的に配信することで自社のファンとして定着させ、購買に導くためのマーケティング手法です。
継続的に見込み客に購買支援を行うことことで、自社のファンを獲得します。短期的な売上増加だけではなく、中長期的な利益への貢献を目指します。
コンテンツを作る際に、マーケットの特徴を理解しておくことでマーケットにマッチした方法や分析をすることができます。
BtoBビジネスの特徴として挙げられるものは以下の3つです。
これらのBtoBビジネスの特徴を理解しておくことで、コンテンツマーケティングの特徴もイメージしやすくなります。
コンテンツマーケティングは、他のマーケティング施策と比べてメリットが多いです。ではどのようなメリットがあるのでしょうか。B to Bにも共通するメリットについて解説します。
過去に発信したコンテンツは自社の資産となります。良質なコンテンツを継続的に発信することで、マーケティングの効果が期待でき、コストパフォーマンスも向上します。その結果、集客につながります。
コンテンツマーケティングには、WEB広告費といった媒体に支払う広告費よりも低予算でできるメリットがあります。内容にもよりますが、WEB広告費は最低でも数十万円程度かかると言われています。一方、コンテンツマーケティングでは、メールマガジンやブログを使用したオウンドメディアの構築から始めます。初期の導入コストは人的コストのみで済むことが多いです。
良質なコンテンツを継続的に提供することで、自社に対するユーザの信頼感が向上します。ユーザとの関係を構築すれば、新規顧客の獲得や見込み客の育成といったメリットがあります。ユーザのニーズに合ったコンテンツを作ることで、見込み客は着実に固定ファンになってくれるでしょう。
では、どのようにコンテンツマーケティングを進めれば良いのでしょう。押さえておきたいポイントとコンテンツマーケティングの作成における基本的なポイントを3つご紹介します。
コンテンツマーケティングでは、目標を設定すること、すなわちターゲットを決めることが重要です。言い換えますと、どのような課題を解決したいのかを明確化します。B to Bコンテンツマーケティンには、成果がでるまで時間がかかるというデメリットがあるため、最終目標の設定だけでなく、一定期間ごとに目標を設定しなおすことをオススメします。このように計画的に進めることで、方向性を何度も修正できるため柔軟に対応できます。
闇雲にコンテンツを作っただけでは意味がありません。自社の見込み顧客に自社のコンテンツを魅力的だと思ってもらうことが大切です。考えられる集客施策として、カスタマージャーニーマップの活用をオススメします。
カスタマージャニーマップとは顧客が商品やサービスを知ってから購入するまでの行動•思考•感情を可視化したものです。
顧客は、商品を購入するまでに会社を探したり類似商品を比較したり、さまざまな検討をします。カスタマージャーニーマップを作成することで、どのタイミングでコンテンツを発信すれば良いのかを明確にできます。
コンテンツを作成する場合、選択肢は2つあります。自社で作成する、または、他社へ委託するのどちらかです。自社で作成する場合、人的資源を確認する必要もあります。コンテンツを作成できる人材や作成コストを総合的に検討しなければなりません。
コンテンツを自社で作成することが難しいと判断した場合は、専門の企業に依頼するのもいいでしょう。
コンテンツマーケティングのメリットをご紹介しましたが、実際に導入する場合、どのようなことに注意すればいいか気になりますよね。
ここでは、導入前と導入後の注意点について解説します。
導入前の注意点は、上述した通り、リード獲得といった成果が現れるまで時間がかかる点です。コンテンツを公開した後、試行錯誤を繰り返して良質なコンテンツを継続的に発信することでようやく効果が現れます。最低でも、数ヶ月はかかると見込んでください。よって、費用対効果を算出することが難しいです。
導入後の注意点は、コンテンツへのアクセス分析、内容の見直しや改善が必要となる点です。
しかし、これらの作業を1人で行うのは非効率であるため、複数人で構成されるチームを立ち上げて、運用体制を整えましょう。並行して運用フローを明確にしておくことも大切です。
良質なコンテンツを発信し続けた結果、成功した企業もあります。実際の事例を学ぶことで,自社のガイドラインとして参考にできます。では、どのような事例があるのか見てみましょう。
キーエンスによるコンテンツマーケティンの事例は、専門的な内容のサイトを運営し、ノウハウ記事を読んでもらったり、資料をダウンロードしてもらったりする方法です。
例えば、キーエンスでは[粗さ入門.com]というサイト運営をしています。
このように、粗さの概要、種類、そして測定機器といったコンテンツが一貫して明確に示されています。その他にもセンサーやFAロボットといったキーエンスの技術の強みを発信し続けています。
株式会社ボルテックスは、区分所有オフィスの販売や賃貸オフィスの紹介といった不動産事業を行っている企業です。コンテンツマーケティングの施策として、オフィスに関連する「あしたのオフィスJOUNAL」というオウンドメディアを企業に向けて発信しています。
同社ではミエルカ(SEO解析ツール)を導入することで、サジェストネットワーク分析機能を上げ、また、どんな人(ペルソナ)の意図を推測して分析の解像度を上げました。これにより、記事の「差別化」と「専門性」をかけ合わせてコンテンツに独自性を持たせました。その結果、資料請求や問い合わせなどのリード獲得件数が増加しました。
「パナソニックの担当者がわかりやすく解説する」をコンセプトにして商品についての基礎知識や使い方、カタログ用語の解説といった情報を発信しているオウンドメディアです。
自社製品である制御機器の専門的な情報や、一般のユーザーにもわかりやすく解説された用語なども発信しています。
既存顧客との定期的な情報交換を目的としたコンテンツマーケティングです。
Marketing World 2021(コンテンツマーケティングに特化した世界最大クラスのイベント)のカンファレンスによって発信した情報をまとめてみました。
2022年のコンテンツマーケティングのトレンドは”Brand to Demand”(需要に寄り添うブランド構築)および顧客主導型デジタル体験(B toB 施策)と予想されています。
コンテンツマーケティングには”Brand to Demand”(需要に寄り添うブランド構築)が必要となる、とマキュー氏は予想しています。
需要に応じブランド戦略を変えることで存在感が高まり、結果として、コンテンツの閲覧者やWebサイトで購入につながる成果が得られると説明しています。
一方で、顧客主導型デジタル体験(B toB 施策)は、既存の顧客主導型デジタル体験(SNS,検索エンジンによる情報収集)に以下の項目を加えることで、顧客主導というスタイルを変えずにメッセージやアドバイスを届けることができる、とアルビー氏は説明しています。
以上が2022年以降にトレンドと予想されるマーケティングコンテンツです。
本記事ではコンテンツマーケティングの概要、方法、そして事例などをご紹介しました。
近年、コンテンツマーケティングの市場は年々増加する傾向にあります。
継続的なコンテンツの制作や発信に加えて、トレンドという時代の変化にマッチさせることが大切です。
自社のコンテンツ作りの際に役立ててみてはいかがでしょうか。