近年、紙媒体のカタログではなく、ブラウザ上で閲覧できるデジタルカタログが注目を集めています。
本記事では、デジタルカタログについて、PDFとの違い、導入するメリット・デメリットなどを解説します。コスト削減や業務効率化を検討している企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
デジタルカタログとは紙媒体のカタログをWeb上で閲覧できるコンテンツのことです。
通常のwebページ同様、Web上で展開されるため、ブラウザから閲覧することができます。そのため、PDFなどのファイル展開ソフトを利用することなく、インターネット環境さえあればすぐにカタログを確認できるようになります。
デジタルカタログには大きく分けて以下の2つの形式が存在します。
以下ではそれぞれの形式について解説します。
Flash形式とは、「Flash Player」と呼ばれるプログラムを利用して作られたデジタルカタログです。
しかしAdobe Systems社からのFlash Playerのサポート終了に伴い、近年では多くの企業がFlash形式のデジタルカタログの発行を減らしている傾向にあります。
webページを作成するために開発されたHTMLという言語を使って作られたデジタルカタログです。近年ではメインになりつつあるデジタルカタログです。
HTML5では容易に動画や画像の埋め込みが可能になり、幅広いデバイス、ブラウザに対応することも可能となりました。
Flash形式に比べてセキュリティ面が高く、通信量をあまり使用せずに閲覧できるため、サクサク読み進めることができます。
またタブレットやスマートフォン・PCなど、利用デバイスに合わせて最適化された状態で表示されます。
PDFと間違われやすいデジタルカタログですが、内容は大きく異なります。ここでは、デジタルカタログとPDFとの違いを3つ解説します。
PDFでは形式上、表現方法はテキストと静止画がメインとなります。しかしデジタルカタログではテキストと静止画に加え、動画・URLなどの表示が可能になります。
PDFを表示する場合、レイアウトは1つのみ。パソコンでは見やすかったとしても、スマートフォンやタブレットでは縮小され、拡大して読む必要が出てきます。
一方デジタルカタログはデバイスによってレイアウトが最適化されるため、自動的に各デバイスで読みやすい表示になります。
PDFを閲覧するためには「Adobe Reader」と呼ばれる専用ソフトが必要になります。
一方、デジタルカタログは専用ソフトが不要で、通常のwebページ同様にスマホ・PCで閲覧できます。ダウンロード等の時間も必要ないため、表示スピードが早く、すぐに閲覧が可能となります。
PDFはタグなどの埋め込みがほぼ不可能のため、カタログがどれくらいの人に見られているのか、どのような人に見られているのかなどの解析は困難です。
しかしデジタルカタログはタグを埋め込むことができ、「どのページが読まれているか」や「全体閲覧までの時間」など、様々な解析が可能になります。
紙媒体に比べて、デジタルカタログには様々なメリットが存在します。以下ではデジタルカタログを導入する際のメリットについて紹介します。
紙媒体のカタログを作成する際は、印刷・紙代・カタログの輸送など、様々な部分にコストがかかります。
一方、デジタルカタログはオンラインで情報が完結するため、紙を印刷する必要がありません。また作成データの情報はクラウド上に保管されるため、カタログを保管するスペースも不要です。そのため、カタログに関わる様々なコストを削減できるでしょう。
紙媒体のカタログはテキストと静止画しか表示できませんが、デジタルカタログの場合は動画や音声も表示させることができます。
営業活動時に使用することで、テキストや静止画では伝わりづらい内容をスムーズに理解してもらえます。
紙媒体のカタログで情報の修正が必要な場合、原本の修正を実施した後、再度印刷が必要になります。
一方、デジタルカタログは必要なタイミングで、すぐに修正できるため、効率良く情報の更新・編集ができます。
上述した通り、紙媒体やPDFのカタログではデータ分析はほぼ不可能です。これに対してデジタルカタログはWeb上で情報を閲覧するため、データの解析が可能になります。例えば、通常のWebサイトのようにヒートマップを利用すれば、「どこが一番クリックされているか」「どのページが一番離脱率が高いか」などを分析できます。
様々なメリットがあるデジタルカタログですが、デメリットも存在します。
デジタルカタログを作成するためには専用のツールが必要になり、コストが必要になります。
デジタルカタログは、Web上からコンテンツを閲覧するためにインターネット環境が必要です。
そのため、インターネットに繋がっていなければ、カタログの閲覧すらできません。
デジタルカタログを導入する際はターゲットや顧客、クライアントのデジタルリテラシーを踏まえておく必要があります。
利用するメリットの多いデジタルカタログを上手く活用することで業務効率を向上できます。デジタルカタログを活用する2つのポイントを解説します。
公開したデジタルカタログは、定期的にアクセス解析を実施することでより有効的に活用できます。
閲覧したユーザーの動向を分析・修正することで、より効果の高いカタログへと修正できることに加え、それらのデータを営業活動などにも使用することができます。
デジタルカタログを導入した後、紙媒体のカタログも同時に活用すると効果的に集客を行うことが可能になります。
デジタルカタログの場合、web上の1ページとして忘れ去られがちですが、紙媒体の場合は保管してもらえる可能性が高いからです。
顕在層にはweb上で、潜在層には紙媒体でといったように、紙とデジタルのそれぞれの特性を活かしたアプローチを展開することで、互いにデメリットを補えるでしょう。
本記事では、デジタルカタログについて、PDFとの違い、導入するメリット・デメリットなどを解説しました。
デジタルカタログは、場所やデバイスを選ぶことなく様々な情報を表示できるため、顧客に対して効果的に情報を届けられます。
また、紙を印刷するコストがなくなり、データ解析も可能になります。
集客や営業などにおいて、業務効率化を考えている企業は、これを機にデジタルカタログの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、社内でDX化を進めている担当者の方や企業の方は以下の記事も参考になります。