「訪問数や問い合わせ数も多い、営業反応は悪くない…なのに獲得ができない」
そのような状態に陥っている営業マン、そして営業マンのモチベーションを維持させる管理職の方も少なくありません。
そんな方達は営業のKPIを設定し、数値化してみると、何が問題で、何を改善すれば良いのかが見えてきます。
本記事では、営業成績アップにつなげるためのKPIの設定方法をご紹介します。
KPIは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略称です。目標を達成するためのプロセスの中で、どの数値を改善したら良いのかなどの指標を決めることです。営業のみに関わらず、企業経営・製造現場・政策関連にまで及ぶ幅広い分野で用いられています。
闇雲に営業活動をこなしていても、成果に直結するとは限りません。確実に成果を収めるためには、具体的にどのような指標をクリアしなければならないのかを明確化する必要があります。営業において”営業獲得数”は目標ですが、それに至るまでに訪問・問い合わせ数、見積もり提出数など、様々なプロセスが発生します。例えば訪問件数をKPIとして設定することで、「訪問件数を増やすことでどれくらいの新規案件を獲得できるのか」などの指標を作ることができるようになるのです。
このようなKPIを導入するためには、KGIを設定した上で、現状を適切に、数値化した上で把握する必要があります。
KGIとは、「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の頭文字でできた用語です。最終的な営業獲得数や新規顧客数など、会社やチームの最終目標となります。KGIは最終目標であり、一方、KPIはKGIへ至るまでの途中経過を示す指標です。
KGIだけでは具体的な行動を明確化できず、また、最終的な目標が定められていないKPIだけではどれだけ目標が達成できたのか分かりません。KGIとKPIを両立させることによって初めて、目標を達成させるための適切な行動指針を決定することができるのです。そのため、KPIとKGIを混同することなく両者の違いを正しく理解するようにしましょう。
上記で説明した通り、KPIは、最終目標であるKGIを達成させるための途中経過における指標です。KPIを設定すると、営業担当者の意識がKPIの達成のみに集中してしまい、設定したKPIそのものが目標になってしまうという事態も起こります。そのため目標達成のためにKPIの設定があるという強い意識を持っておくことが重要です。
最終目標を見失わないためにも、達成すべき目標であるKGIを明確化して、正しいKPIを設定しましょう。
KPIを設定するためには、これまでの営業活動の成果を参考にし、適切な数値目標を設定する必要があります。そのためには営業活動のフローを把握し、数値化しなければなりません。具体的には、顧客へのコンタクト件数・実際に行った商談数・見積書提出件数・成約件数などです。
これを機会に営業活動におけるゴールまでのプロセスを洗い出し、数値ができる箇所がないかをしっかり見極めましょう。
営業時に直接感じ取った顧客の雰囲気などの項目は、定量的な数値として表すことが困難です。このように営業担当者が把握するのに難しい部分をKPIとして設定してしまうと、目標の達成及び未達成の要因分析が困難となり、今後の営業活動を改善することができません。
そのため営業に関するKPIの設定で最も重要なポイントは、営業担当者がコントロール可能な指標をKPIとして設定することです。上述した「数値化」の項目で説明したような指標であれば営業担当者の実績として設定可能です。主観的要素が入り込む指標ではなく、誰が評価や採点を行っても同じ結果となる客観的な指標や数値をKPIとして定めるようにしましょう。
KPIはKGIを達成させるために設定するものです。しかし上述した通り、営業担当者の意識がKPIの達成のみに集中してしまい、設定したKPIそのものが目標になってしまうという事態も起こります。また初めてKPIを設定する方は具体的にどの部分を指標にしたら良いのか、迷われる方も少なくありません。
そんな時に使用したいのがロジックツリーです。問題やプロセスを要素毎に分解し、並び替えるフレームワークです。これを使用してロジックツリーではなく、KPI用のKPIツリーを作りましょう。営業活動を一階層ごとに分解し、KGI達成までのKPIを具体的に可視化することができます。
営業におけるKPIでは様々な構成要素があります。
そのため、主要要素として採用できる指標を把握するために、まずはこれまでのデータなどを事前に用意しておくことが必要になります。もしまだ数値化できていない場合は部下や営業担当者に訪問数や見積もり数などをエクセルで記録しておいてもらいましょう。
行動データや項目が用意できたら、それらを構築・並び替えを行います。この際、直感的に選択することができる項目だけを選んでしまうこと等によって、重要な要素が抜け落ちてしまわないようにしましょう。
この作業を行う上では次の3項目を念頭に置くことによって容易に、適正なKPIツリーを構築しやすくなります。
KPIツリーは作成したまま、使用され続けるものではなく、PDCAサイクルを回し、定期的に見直されるべきものです。つまりKPIとして設定した値が正しいのか、仮説と検証を行っていく必要があるのです。例えば、売上金額の設定では新規顧客者数と顧客1人あたりの平均売上金額を考慮して分解することができます。
また、新規顧客者の売上金額とリピーターからの売上金額を考慮した分解が可能です。どちらの指標がKGIに直結しやすい要素であるかは、ある程度の期間を費やして分析する必要があります。
よって、どちらがKPIツリーの要素として適切であるかを判断するためには、今後の動向も確認し、随時見直していくことが重要になります。
KPIに沿って具体的に行動を起こすために、KPIツリーにおいてどれだけの営業担当者が必要となり、どれだけの予算が必要となるのかを「見える化」しましょう。
このように「見える化」「数値化」されることによって、経営面におけるリスクを回避できるというメリットも出てきます。
KPIを導入することによって、具体的にどのような行動を起こせば営業成績をアップさせることができるのかが明確になります。
KGI達成のために、何に注力すべきかを明確化することによって営業活動に迷いがなくなるため、営業に直結するからです。
KPIを導入し、営業成績はもちろん、経営企画にも取り入れて社内全体の業績UPへと繋げてみてはいかがでしょうか。