ECサイトで売り上げが伸びる?BtoB向けECモール5社を徹底比較!

BtoBの市場においてもECの活用が増えています。販路拡大のためにECモールの利用を検討している方も多いでしょう。

BtoB ECモールには複数種類があり、それぞれ販売ジャンルやターゲット顧客、特徴などが異なります。自社の商品にあったECモールを選ぶべきですが、どのように比較すべきかわからないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、BtoB ECモールの概要やメリットの解説と、5社の比較をしていきます。
ぜひ提携先を決める際の参考にしてください。

BtoB ECモールとは

そもそもECモールとは、多数の企業のECサイトが集まったインターネット上のショッピングモールです。
代表的なBtoC ECモールを挙げると、Amazonや楽天市場などがあります。

対してBtoBに特化したECモールが、BtoB ECモールです。BtoB ECモールは、閉じられたネットワークの中で取引が交わされることが一般的です。

例えばBtoC ECモールでは、アカウントを取得していなくてもサイトの閲覧は可能です。商品を購入するために会員登録をしなくても購入できるECモールも存在します。

それに対してBtoB ECモールでは、提供事業者が発行したアカウントIDとパスワードを使ってサイトにログインした上で発注を行います。
受注側の企業は、サイト経由で知り得た顧客の発注情報をもとに、自社の商品を発送するという仕組みです。

BtoB ECの需要は、年々増え続けています。

経済産業省が2021年7月に発表した2020年度の市場調査では、BtoBの国内のEC化率は33.5%と、前年に比べて1.8ポイント増えました。さらに市場規模は334.9兆円といわれており、今や巨大なマーケットです。

BtoB ECモールの導入メリット

BtoB ECモールを導入する企業が増えているのは、大きく分けて3つのメリットがあるからだと考えられています。
こちらでは、3つの導入メリットについてそれぞれ詳しく解説いたします。

既存のプラットフォームが使える

導入メリットの一つ目に、ECモールが持つプラットフォームを使えることが挙げられます。

企業が一からECサイトを作ろうとすると、サイトの設計やシステムの構築、サーバーの用意など、かなりの工数がかかります。また、作った後も、集客のためにSEO対策(Googleの検索結果の上位表示)やサイトの信頼性を上げるための取り組みが必要になるなど、サイト運営に手間がかかるもの。

ECモールを使えば、ドメインやサイト制作に必要なベース部分が用意されているのでサイト制作の手間が省けますし、大手ECモールであれば既に多くのユーザーがいるため集客にかかる労力を減らせるでしょう。自社でECサイトを立ち上げるよりも実施のハードルはかなり低いはずです。

販路拡大

導入メリットの二つ目に、販路を拡大できることが挙げられます。

売り上げを拡大していくためには、商品を販売できる場所を増やしていく必要があります。そこで重要になるのが「販路開拓」です。
販路が限られていると、いずれ想定ターゲットにアプローチしきってしまい売り上げの伸びが頭打ちになってしまったり、他社の参入により売り上げが縮小したりする可能性もあるでしょう。

新たな販路を確保し、収益の柱が増やすことは、売り上げを伸ばすために必要不可欠なのです。
その点、信頼性のあるECモールに出店すれば、集客力が高く全国の顧客と取引が可能。有効な販路拡大の手段といえるでしょう。

新規顧客の開拓

導入メリットの三つ目は、新規顧客の開拓を効率よく行える点です。

多くの企業が新規顧客の開拓のためにテレアポやダイレクトメールなどアウトバウンド営業をしているのではないでしょうか。
しかしテレアポやダイレクトメールなどは、かかる工数に対して受注率が低く、非効率なことが少なくありません。

「ならば、広告を出して認知してもらおう」と考えるかもしれませんが、そもそも広告出稿には多額の費用がかかり、また成果が出るまで時間がかかることもあり多大なコストがかかることが見込めます。
その点、ECモールであればこちらからアプローチをかけなくとも顧客が自ら商品情報を検索して見つけてくれるので、コストをかけずに新規顧客の開拓ができます。

業務効率化でコスト削減

導入メリットの四つ目に、業務効率化ができ、コスト削減につながる点が挙げられます。

ECモールではシステムで受発注を請け負うので、見積書の作成などのアナログな手段での受発注作業や問い合わせ対応が削減できます。

また受発注作業がシステムで一元管理されて、人の手を介す回数が減るため、人為的ミスも少なくなります。
人為的ミスは時間的損失や金銭的損失につながります。
記録が残り、何か問題があった時に、短い時間で問題が発見できるECモールの活用はコスト削減に大いに役立つでしょう。

ECモール5社を比較

モノタロウ MISUMI-VONA トラスコ中山 アスクル カウネット
取扱商品カテゴリ 工業用間接資材、工具、工場消耗品 FA・金型部品、工場消耗品 工具、環境安全用品、物流機器、作業用品、事務用品 事務用品、日用品、生活消耗品、作業・研究用品 事務用品、電化製品、オフィス家具
取扱企業数 不明 約3,000社 約2,600社 不明 約800社
取扱商品数 1,800万点以上 3,000万点以上 約4,424万点 約800万点 80万点以上
主な顧客 製造業、建設・工事業、自動車整備業等 製造業、物流・倉庫、電力、建設・工事 製造業、建設・工事 中小事業所 オフィス全般
提携方法 公式Webサイト上のフォームから問い合わせ 不明 公式Webサイトからエントリー 不明 公式Webサイト上のフォームから問い合わせ
卸売りの可否 可能 不明 不明 不明 不明

BtoB ECモール5社を比較していきます。
ECモールによって、取扱商品や産業分野に違いがあるので、自社の事業にマッチしたプラットフォームを選びましょう。

モノタロウ


「モノタロウ」は工場で使う間接資材を取り扱っているECモールです。
1,800万点以上の豊富な品揃えを誇っているので、主に製造業から多くの支持を受け「工具のAmazon」と呼ばれています。

モノタロウの大きな特徴は、ネジ1本からの小口発送が可能なことです。
業界の慣習として、大口で発注するほど商品1つあたりの値段が安価になり、小口で発注するほど高くなる傾向があります。
しかし、現場では突発的に資材が必要になるシーンが多いもの。特定の資材がなければ工事が遅れてしまうといった時に、大口発注をしていてはコストがかかりすぎてしまいます。
小口発送は低コストでの部品調達を可能にするので、かなり需要があります。

固定の取引先からの大口受注のみに頼っていれば、仮にその企業との取引をやめざるをえなくなった時に、売り上げは大幅に落ちることが予想されます。
モノタロウで小口での受注という引き出しを増やしてみると、リスクの分散にもつながります。
大口受注ばかりで顧客数が少ない企業におすすめのECモールです。

MISUMI-VONA


「MISUMI-VONA」は、FA(Factory Automation)や金型用の精密機械部品を取り扱っているECモールです。
契約しているメーカーは約3,300メーカー、取り扱い商品数は3,000万点以上と、驚異の品揃えを誇っています。
世界50カ国で事業展開しているので、信頼性も抜群です。

MISUMI-VONAの特徴は、必要な商品を時間をかけずに見つけ出せることです。
特に、商品分類や仕様、キーワード、型番などさまざまな情報から商品検索できる「瞬索くん」は、多くの事業者に使われている便利な機能です。
数百万点の商品を扱っているECモールでは、必要な商品を探すことはかなりの手間と時間がかかります。
ユーザーは出来るだけ商品を探す手間を省きたいので、優れた検索機能は必然的に使われます。
商品情報を細かく設定しておけば、自社商品を必要とする顧客に届けやすいでしょう。

商品の品質やターゲットからの需要に自信はあるものの、認知されておらず売り上げが伸び悩んでいる企業におすすめのECモールです。

トラスコ中山


「トラスコ中山」は機械工具や環境安全用品、物流機器など製造現場で使われる資材を取り扱っているECモールです。
商品の幅は広く、ジャンルはオフィス用品から工業用資材まで、価格は数百円から数百万円の機器まで取り扱っています。

またトラスコ中山では、メーカーから商品を一括購入し、自社の各物流センターに在庫します。
常に40万点以上の在庫を確保していながら、在庫のうち出荷できた商品の割合を示す「在庫ヒット率」は、91%と高水準を叩き出しています。

商品販売のサポートも用意されており、小ロット販売を引き受けたり、トラスコ中山独自のカタログ「トラスコ オレンジブック」に商品の掲載してくれたりします。販売サポートが充実しているため、商品の販売方法に弱みを感じている企業におすすめのECモールです。

アスクル


「アスクル」は、会社の事務用品をインターネットで簡単に購入できるようにした、BtoB通販のリーディングカンパニーです。
取り扱い商品は、オフィスに必要な事務用品から、生活消耗品、作業・研究用品、さらには工事現場や医療現場で必要なプロ商材まで、幅広いのが特徴です。

アスクルには「エージェントシステム」という独自の代理店システムが存在し、地方の代理店が顧客開拓や代金の回収などをしています。顧客開拓など、流通に必要なフローをエージェントと分担することで、流通システムの簡素化し、低コストで均一なサービスの提供を可能にしています。
エージェントシステムでは、ECサイトの知識が比較的少ない地元の企業がターゲットとなるため、あまりサイトの情報を閲覧してもらいにくいことが予想されます。
利便性が高く一目で使い方もわかりやすいオフィス用品を販売している企業におすすめのECモールです。

カウネット


文具業界大手のコクヨから生まれたECモール「カウネット」をご紹介します。
コクヨ製品はもちろん、さまざまなメーカーの事務用品や電化製品、オフィス家具にいたるまで、豊富な品揃えを実現しています。

カウネットは豊富な品揃えだけでなく、文房具や工具といった間接材・消耗材の購買を一元管理する購買システム「べんりねっと」も提供。購買にかかる工数を削減し、業務効率化を促すなど、総合力を武器としています。

さらに、顧客体験の向上のために、サイトの改善も常時迅速かつ丁寧に行なっています。

加えて一般の消費者も使えるサイトなので、企業も一般消費者も使える便利な日用品を扱っている企業ににおすすめのECモールです。

まとめ

BtoB ECモールをうまく活用できれば、新規顧客の開拓のみならず、業務の効率化にもつなげられます。

そのためにも、自社にあったプラットフォームを選択することは大前提です。

ECモールごとに、強みや特色は異なるので、調べた上で問い合わせすることをお勧めします。

あらかじめ調べておけば、契約のために具体的な提案ができるので、契約のハードルも下がるはずです。

また取扱商品が増えてくると効率的にデータを提供することが求められるようになります。

データの提供を担当者がExcel作業に追われていませんか?

商品情報管理システムを構築すると、必要な形でシステムからエクスポートすることができるので、業務工数を削減するシステムもあります。

是非チェックしてください。

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