非エンジニアでも開発できる!Power Apps活用事例を一挙に紹介

「PowerAppsの名前は聞いたことあるけど、どんな用途に活用できるのだろう?」この記事をご覧いただいた方は、そのような疑問をお持ちではないでしょうか。今回は、非エンジニアの方に向けて、PowerApps活用事例を一挙に紹介します。

Power Appsとは


Power Appsとは、アプリケーションの作成プラットフォームです。ビジネスのニーズに合わせたカスタムアプリケーションを構築するための環境を提供してくれます。Power Appsを利用すると、ビジネスの現場で使えるアプリケーションが簡単に作成できます。

Power Appsの特長

まず、Power Appsの特長について説明します。

  • Webブラウザで完結
    専用のソフトウェアを準備する必要がなく、普段使っているブラウザで操作を完結できます。最新バージョンのブラウザであれば、WindowsデフォルトのMicrosoft Edge以外に、Google ChromeやFirefoxも利用できます。

  • Office365のユーザー認証が利用できる
    Office365のユーザー認証が利用できるため、シングルサインオンなど個人を認証する仕組みを別途構成する必要がありません。

  • 多種多様なデータソースと接続できる
    OneDrive上に置いた多種多様な形式のデータと接続することができます。Excel、CSV、Azure(Microsoft社のクラウドサービス)のDBなどとも接続することが可能です。

  • 各種データベースと接続し、既存のレポーティングシステムを利用できる
    例えば、SQL server, Oracle DBなどの各種データベースと接続でき、Power BI(Microsoft社のビジネスインテリジェントツール)などのBIツールとも連携できます。

  • 操作が簡単で学習コストが低い
    Excelの関数を扱うような感覚で操作できるため、プログラミング言語を学習するよりも低いコストでアプリケーションを構築できます。また、Power AppsはOffice365に含まれているため、Office365をすでに契約している場合には、気軽にスタートすることができます。

Power Appsでできること

続いて、Power Appsを用いて作成できるアプリケーションの例をご紹介します。

Power Appsの活用事例

神戸市:COVID-19補助金申請アプリケーション

神戸市では、Power Appsを用いてCOVID-19補助金申請アプリケーションを構築しました。1日あたり40,000件もの電話問い合わせが発生し、市職員が対応に追われていた神戸市。手が回らない状況を改善しようと、COVID-19補助金申請アプリケーションを構築し、オンラインで申請状況が確認できる仕組みを確立しました。結果として、問い合わせの電話は90%減少し1日あたり約4,000件になり、職員の問い合わせ対応の負荷軽減に大きく寄与しました。

株式会社ファンリピート:データの一元管理

株式会社ファンリピートでは、従来はExcelをはじめとした多種多様なシステムを用いて、営業・販売データを管理していました。部署によって使用するシステムや参照するデータが異なり、全体像を誰も把握できない状況に陥っていました。
上記の問題を解決するためにPowerAppsを導入し、1つのシステムによる一元管理を実現しました。

Metro Bank PLC:社内データのきめ細かい収集

Metro Bank PLCでは、Power Apps、PowerBI、Power Automate(Microsoft社の自動化ツール)などを用いて、社内のデータ収集の仕組みを整備しています。従来は組織全体できめ細かいデータを取得することができませんでしたが、導入後はプロジェクトの作業を1時間ごとに追跡することができるようになりました。
結果として、将来に発生するであろうプロジェクト予算も含めて最適化し、プロジェクトの効率的な管理と制御を実現しました。

Standard Bank:ビジネスプロセスの自動化

Standard Bankでは、ビジネスプロセスの多くを手動もしくは、Excel、電子メールを用いて行っていました。また、ビジネスプロセスは、職務ごとに細分化されており、問題発生時から報告、対応までに長時間を要することがほとんど。特にATMの検査においては、一連の事務処理の負担が課題となっていました。
そこで、Power Appsを用いて、ATMを検査するための専用のアプリケーションを構築し、社員の負荷を大幅に軽減することに成功しました。

G&J Pepsi:店舗監査アプリケーション

G&J Pepsiでは、Power Appsを使用して店舗監査アプリケーションを作成しました。このアプリケーションを用いることにより、在庫データを記録し、リアルタイムのデータを入手できるようになりました。G&J Pepsiは、外部開発した場合と比較して、推定10万ドルのコストを削減することに成功しています。

Autoglass:現場技術者用アプリケーション

Autoglassでは、Power Appsを用いて現場技術者用アプリケーションを構築しました。約1,500名の技術者がアプリケーションを利用するたびに、正しい部品が見つからない等の問題をログとして記録できます。
また、ナレッジベースを活用して、一般的な問題の解決策を探すことも可能。手動のプロセスが削減されたことにより、技術者の生産性を高めることに成功しました。

Office Depot:給与アプリケーション

Office Depotでは、従来、紙とファックスに依存していた給与計算プロセスを、Power Appsを用いてアプリケーション化することに成功しています。これにより、タイムカードの承認も迅速化されました。Office Depotでは、他にも30を超えるアプリケーションをPower Appsを用いて開発しており、10万ドル以上の節約を実現しています。

Blackmores:ベンダー管理アプリケーション

Blackmoresでは、ベンダー管理アプリケーションをPower Appsを用いて開発しました。導入に至った経緯は、コストパフォーマンスに優れた既存のソリューションがなかったこと。またPower Apps等を用いることで、9か月間でアプリケーションのリリースに成功することができました。

Virgin Atlantic:お客様の健康アンケートアプリケーション

Virgin Atlanticでは、お客様の健康アンケートにPower Appsを用いて開発したアプリケーションを利用しています。また、従来は紙ベースで行われていたコンプライアンスの監査もPower Appsで作成したタブレット対応アプリケーションで行っています。

Ernst & Young:中小企業への財政支援対応アプリケーション

コンサルティングファームであるErnst & Youngは、PowerAppsを用いて、政府による中小企業への財政支援対応をサポートしています。COVID-19の流行に伴い、アメリカ政府は中小企業への財政支援を実施し、500万人を超える借り手が恩恵を受けました。

課題は、ローン免除プログラムの適格基準が変化し続け、請求処理が困難になったこと。Ernst & Youngは、中小企業の顧客に対して、スプレッドシートや承認ワークフローなどの代替手段として、PowerApps等を用いた、自動化ソリューションを提供しました。

まとめ


PowerAppsを用いると、ビジネスアプリケーションを自身で構築することができます。勤怠管理、座席予約やe-learningなど、プログラミングができなくても、自社に最適なアプリケーションを迅速に構築できる点が特徴です。

PowerAppsは、Office365に含まれるため、すでにOffice365を契約している場合には、気軽にスタートすることができます。事例を参考にしていただき、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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