OODAループとは?戦略立案に今すぐ使えるフレームワーク

目まぐるしく変わる市場の中で、戦略が立てづらいと感じる、企業の担当者はいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では、OODAループについての概要や、活用した戦略の具体例について解説します。

この記事を参考に、立案した戦略を成功に導き、目標を達成しましょう。

OODAループとは


OODAループとは、アメリカの軍事戦略家であるジョン・ボイド氏が発明した、米軍の意思決定プロセスを理論として体系化したものです。
OODAループをビジネスシーンで活用すると、以下の3つのメリットがもたらされます。

  • 臨機応変な対応が可能
  • 迅速な意思決定
  • 自発的な行動

OODAループは、論理的思考だけではなく、直観等の人間の潜在能力を活かして、自発的に瞬時な判断が可能です。
ビジネスは意思決定の連続なので、迅速に正しい決定を下す必要があります。他の人に意見を求める暇もなく、意思決定をしなければならない場合もあるでしょう。

そういったときに備えて、部下にOODAループ落とし込んでおけば、指示待ち人間にならず、現場で最適な判断が行えるようになります。特に近年は、市場が急激に変化し続け、迅速な意思決定がますます求められてきているので、OODAループの必要度が高まっています。

OODAループの4つのプロセス

OODAループを構成する要素として、4つのプロセスがあります。
Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)の4つで、これらの頭文字をとり、OODAループと名付けられました。

  1. Observe(観察)
    対象とする人・モノの周囲や、組織の内部や外部の状況をよく観察します。市場での相手の立場や、売り上げや利益など、出来るだけ詳細に観察し、客観的なデータを多く集めましょう。
    集めたデータが少なかったり、情報があいまいだったりすると、その後の戦略が失敗する可能性が高まってしまいます。
  2. Orient(方向付け)
    Observe(観察)で集めたデータを、自身が持ち合わせている情報や自社のリソース・能力と合わせて精査し、戦略の方向性を決めます。
    ここで定めた方向性次第で、結果が大きく変わるため、OODAループで最重要のプロセスです。
  3. Decide(決断)
    Decide(決断)は、定めた方向性をもとに、Act(行動)まで何をするかを具体化し、意思決定をすることです。Observe(観察)で集めた情報に不足がないか、Orient(方向付け)に誤りがないかを探り、もし問題があれば、問題があるフェーズに戻りましょう。
    目標を達成するために、考えられる複数の選択肢を洗い出します。最終的に目指す状態や、実現の可能性を考え、もっとも効果的だと思われる選択肢を選びます。
  4. Act(行動)
    Decide(決断)で決めたことは、すぐにAct(行動)に移します。
    実行が遅れて時間が経てば、それだけObserve(観察)で集めた情報が古くなり、目指していた結果にたどり着く可能性が低くなってしまいます。行動の結果、必要があれば、またObserve(観察)に戻り、OODAループをリスタートしましょう。

OODAループでは、1週目のループで得られた情報を、次のループで活かすことが大切です。1週目のループのフィードバックができれば、目指す結果に到達しやすくなります。

OODAループとPDCAサイクルの違い


OODAループは、よく似た意思決定の手法であることから、しばしばPDCAサイクルと同一視されます。しかし、似ているようで、OODAループとPDCAサイクルの性質は全く異なります。
本項では、PDCAサイクルの簡単な説明と、OODAループとの違いについて比較していきます。

PDCAサイクルとは

PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の4段階を継続的に繰り返すことで、業務の改善に繋げる手法です。

  1. Plan(計画)で目標と、目標を達成するまでの戦略を作成します。
    PDCAを回す際のスタート地点になるものなので、数字で把握できるデータなどを盛り込んだ、具体的な計画を練る必要があります。
  2. その次のDo(実行)では、定めた目標に向けて、立案した戦略を実行します。
    戦略の実行だけではなく、次のサイクルに向けての試行という意味合いも含まれているので、このときに正確なデータの収集が必要です。
  3. Check(評価)では、設定した目標が達成できているか、戦略が想定通りに進んだかを評価します。
    成功しても失敗しても、なぜその結果になったかの、細かい分析が求められます。
  4. Act(改善)では、前段階のCheck(評価)での分析から得られた情報から、改善点を考えていきます。

この改善の段階で、そのまま計画を続けるか、中止するかを検討し、決定しましょう。
PDCAの最後のステップである、Act(改善)を行ったら、Plan(計画)に戻り、取り組んでいる業務や戦略のブラッシュアップを図ります。

OODAループとPDCAサイクルの比較

PDCAサイクルは、サイクルを始めたら、最後まで回します。OODAループは、必要に応じて、途中の段階でも前の段階に戻ってループを再開できます。
自由度という意味では、OODAループの方が高いと言えます。

また、OODAループは、意思決定の改善を促す手法で、実行までのスピード感を重視しています。例えば、新規事業の立ち上げなど、不確定な要素が多く急激に状況が変化する環境下では、OODAループは効果的です。
PDCAサイクルは、決められた工程において、いかに効率よく業務を回せるかの改善を促す手法です。

PDCAサイクルでは、一番最初のPlan(計画)を肝にサイクルが回るため、計画を立てても変化が激しく、思ったように進まないことが多い事業には適していません。
すでにある商品やサービスの改善には、効果的な手法です。
戦略を立てる際は、OODAループとPDCAサイクルのどちらが必要かを考え、うまく使い分けましょう。

OODAループの具体例

実際に、OODAループの具体例を解説します。

飲食店での具体例

製造業での具体例

まとめ


本記事では、OODAループで踏むプロセスやPDCAサイクルとの比較、OODAループの実際の活用例について解説しました。非効率なプロセスを踏んでいれば、目標までの道が遠ざかり、悪ければ、目標の達成ができないと判断するまでに時間がかかってしまいます。
必要なプロセスを経て、戦略を効率よく回し、成功に導きましょう。

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