BIツールについて、「気になっていはいるが、具体的に何の役に立つのか分からない」と考える方は多いのではないでしょうか。
「営業だからデータ分析は関係ない」と考える向きもおられると存じます。実は、BIツールは営業にも大変役に立つツールです。そこで今回は、BIツールを用いた営業戦略について説明します。
BIツールとは、ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)ツールの略称で、データを収集・分析し、意思決定を支援するツールのことです。
BIという言葉は、1958年にIBM研究所の職員によって初めて使用され、その後、1989年にITコンサルティング会社のガートナーにより、現在のような概念に整理されました。
BIツール導入のメリットには、以下のようなものがあります。
また、ドリルダウン(データを掘り下げて確認すること)の処理も容易にできるため、データを深く理解することができます。例えば、今年の売上データをドリルダウンして、どの製品の売上が増えているか、減っているか確認することができます。
加えて、複数のデータソースに接続することができるため、異なるデータソースを結合して分析することも可能です。例えば、システムAとシステムBの双方からデータを収集・結合してデータ分析を行うことができます。
例えば、台風が来ると乾電池が良く売れるといった、一見して関連性が明らかではない法則性を見つけることができます。
BIツールには、膨大なデータを分析し、将来の予測を立てる機能があります。例えば、過去の天候データから売上予測を立てて、仕入する商品の種類や数量を決定するということができます。
続いて、BIツールの主な機能を説明します。
続いて、営業戦略にデータ分析が必要な理由について説明します。
営業活動のデータを集約し、分析することにより、営業組織の状態を把握することができます。
例えば、売上目標に対する進捗、好調な製品・サービス、利益率、商談成約率など、組織全体を具体的な数値で定量的に把握することができます。
営業活動のデータ分析は、特に業績が不調な時に役に立ちます。業績が不調な原因を特定して、改善することができるためです。
個人のパフォーマンスを管理し、営業成績の振るわない社員には、助言や指導を行うことができます。また、営業活動データを分析して、不調の原因を特定することもできます。
例えば、営業活動を分析した結果、商談数が他の営業社員より少ないのであれば、商談数を増やすためにアポイント取得の電話を増やすといった施策をとることができます。
パフォーマンスの高い営業担当の営業活動を分析し、成功要因を抽出して、他の営業担当にも展開することができれば、全体の営業力を底上げすることができます。
例えば、好成績の社員の営業活動を分析した結果、対面営業よりもリモート営業の活動比率が高いということが判明した場合、全社でリモート営業を推進するという施策が考えられます。
続いて、BIツールによる営業データの分析手法を説明します。
画像出典元:株式会社インフォマートより
画像出典元:株式会社角川アスキー総合研究所より
画像出典元:株式会社ギックス公式HPより
そして、その事象が起きた原因を特定し、根本的な対策を立てます。ただ分析するだけではなく、検証分析には論理的な思考力が必要になります。
続いて、BIツールの営業戦略への活用例を紹介します。
最後に営業戦略に役立つBIツール5選を紹介します。
Tableauは老舗のBIツールベンダーで、独自のビジュアライゼーション技術により、直感的な分析をサポートします。あらゆるデータソースに対応しており、OLAP分析が優れています。
Oracle Business Intelligenceは、データベースで有名なOracle社が提供するBIツールです。様々なデータ分析機能を備えており、高い拡張性があります。
推奨チャートを自動で生成する機能や分析結果をPDFで出力できる機能があります。
Qlik Senseは、モバイルファーストで開発されているBIツールです。
独自のアナリティクスエンジンと AI により、高度な分析をサポートします。セルフサービスのBIプラットフォームであると謳っており、ビジネスユーザー自身が利用しやすい操作性を備えています。
Yellowfinは、迅速な意思決定と変化への対応を可能にする、WebブラウザベースのBIツールです。 AIを搭載したダッシュボードが利用でき、共同作業を行いやすい点が特徴です。
Power BIは、Microsoftが提供するBIツールです。ExcelなどのOfficeアプリケーションとシームレスに連携できる点が特徴です。
Office365に含まれているので、Office365ユーザーなら気軽に使い始められる点もメリットの一つです。
BIツールとは、ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)ツールの略称で、データを収集・分析し、意思決定を支援するツールのことです。
BIツールを導入するメリットは、専門知識がなくともデータ分析できること、散在するデータを一か所に収集して分析できること、大量のデータをリアルタイムに分析できること、短時間でレポートが作成できるということなどがあります。
営業戦略にBIツールを用いたデータ分析を活用することで、営業組織の状態を把握し、個人のパフォーマンスを管理・改善、好成績者の行動を分析し全社に展開することなどが可能になります。