デジタルアセット管理(DAM)とは|システムを利用して業務効率化

デジタルアセット管理(DAM)とは?


デジタルアセット管理は、動画や画像などのデジタルコンテンツを一元管理することです。英語では「Digital Asset Management」と呼ばれるため、その頭文字をとって「DAM」と略して呼ばれることもあります。
ハードディスクを使用して様々なファイルを管理することも、一種のデジタルアセット管理と言えます。

デジタルアセット管理(DAM)が担う役割

デジタルアセット管理(DAM)は、オンラインマーケティングが盛んになってきている昨今において確実に必要になるデジタルコンテンツを一元的に管理しています。
それによって、社内に素材が散らばって見つからなかったり、制作会社からの素材受け取りをスムーズにしたりしているのです。
さらに、株式会社売れるネット広告社の調査はデジタルD2Cの市場規模が2025年までに3兆円にまでなると予想。デジタルコンテンツの利用がこれから先、今まで以上に大切になってくることはデータが示しています。

デジタルアセット管理はこれから重要性がどんどんと増してくるものなのです。

デジタルアセット管理(DAM)とCMSとの違い

CMSは「Contents Management System」の略であり、日本語に言い換えると「コンテンツ管理システム」と呼ばれています。その名のとおりWEBコンテンツを管理するもので、具体的にはコンテンツの編集・保存・公開が可能。

DAMはCMSと親子関係になっており、CMSの拡張機能のうちデジタルコンテンツ管理に特化した部分をDAMといいます。デジタルコンテンツを多く使う企業はCMSとDAMを連携して使うことによって、CMSだけではできない、より高度なデジタルコンテンツ管理を行っているのです。

デジタルアセット管理(DAM)が抱える問題


デジタルアセット管理は大きなメリットがあるものですが、もちろんデメリットもあるもの。
ここではデジタルアセット管理(DAM)が抱えている問題について紹介します。
デメリットを知らないままにしていると、いつのまにか取り返しのつかない問題にまで発展してしまう可能性があります。確実にチェックしておきましょう。

コンテンツ管理に手間と時間がかかる

株式会社売れるネット広告社の調査を見ればわかるとおり、デジタルコンテンツの重要性はこれからも高くなっていきます。特にSNSの発展によって、ユーザーは次々と新しい情報に触れているので、企業は自社のマーケティングのためにたくさんのデジタルコンテンツを投下する必要があるのです。

そんななかで、いくらデジタルアセット管理によってコンテンツを一元管理しているといっても、膨大なデータベースから必要な素材だけを瞬時に見つけ出すことは難しいもの。

例えばハードディスク上でコンテンツを管理しているからといって、そのコンテンツをうまく探せない/プレビューに時間がかかることで余計に時間がかかってしまうこともあります。

そうすると自社もしくは制作会社に素材をスムーズに渡せず、コンテンツ制作の生産性が落ちてしまうことも。コンテンツ制作のスピードは売上にも影響ほど重要だからこそ、膨大なデータベースから必要な素材を見つけ出す方法を探す必要があります。

コンテンツの誤使用や不正使用が起こりやすい

コンテンツの一元管理をしていると、手元にはたくさんのデジタルコンテンツが溢れることになります。著作権などのライセンスの期限切れなどをチェックをしていたとしても、ヒューマンエラーが絶対起きないという保証はありません。

たとえば、その著作権切れの画像をSNS広報担当が公式アカウントで投稿してしまったらどうなるでしょうか。

コンテンツの誤使用や不正使用は、企業のブランドイメージを大きく損ねてしまいます。顧客からの信頼を失い、最悪の場合は大きな売上損失を招く可能性もあるでしょう。

こういったリスクを避けるため、簡単にライセンスチェックを行う方法を採択する必要があります。

問題解決策としてよく耳にするデジタルアセット管理システムとは?


デジタルアセット管理を人間が行うのには限界があります。一元管理しているとはいえ、管理しているコンテンツ数が膨大であれば探すのに時間がかかってしまいますし、適切ではないコンテンツを公開してしまう危険性もあります。

その問題解決策として登場したのが「デジタルアセット管理システム」です。

デジタルアセット管理システムは、デジタルコンテンツをクラウドで管理するサービスのことです。
クラウドを活用しているため、社内外の関係者をオンラインで結びつけることが可能になり、今までオフラインで必要だったやりとりの手間を一気に削減することができます。

また、著作権などのライセンス管理をクラウドで行うことができるため、システムとCMSを連携させれば、ライセンスが失効してしまったコンテンツを誤って使用するリスクを回避することが可能です。

デジタルアセット管理システムが実現する未来とは


デジタルアセット管理システムがどれだけ有用なものだとしても、実際に企業に対して利益をもたらすものでないのなら導入する理由はありません。

ではデジタルアセット管理システムがもたらす企業への利益とは何があるのでしょうか。

実際に導入することによって何が起きるのかを知り、自社に必要だと感じるのなら導入を検討してもいいでしょう。

デジタルコンテンツにおける業務効率化

デジタルアセット管理システムのコンテンツ管理は全てクラウド上です。
そのため制作会社からの素材の受け取りや必要な素材の検索がすべてオンライン上で完結します。

そのため従来のように必要素材を探すためにデータを1つずつ開いて確認したり、素材の圧縮やファイル転送サービスを別途で探したりするような手間はもうなくなります。

デジタルアセット管理システムの特定のURLやツールを共有するだけで簡単に素材の授受ができ、対応しているファイル形式であればファイルを開かずともオンライン上でプレビュー確認も可能です。

「意外と面倒だけど必要な作業」から解放されるため、自社・取引先ともに業務効率が上がるため導入企業は増加傾向にあります。

画像出典元:株式会社日経リサーチより

実際に日経「スマートワーク経営」調査2018によると、全体の約50%の企業がパフォーマンス向上のために「クラウドでのファイル共有」を採用しているという結果が発表されています。
クラウド上で管理することへの関心は世論としても非常に高まっていることが分かります。

企業ブランドイメージの向上


デジタルアセット管理システムを導入すれば、コンテンツに対してAIが自動で適したタグをつけてくれたり、MA(マーケティングオートメーション)に適したコンテンツを提案してくれたりします。

また、著作権などのライセンス許諾管理も簡単なため、適していないコンテンツを公開してしまうリスクを適切に回避することが可能です。

そしてユーザーに対して一貫して正しいコンテンツを提供し続けることは、企業にとっては最重要ともいえるブランディング戦略の一つです。
安定感、安心感を顧客に与え続けることで、企業ブランドのイメージ向上につながります。

営業活動においても、ただ製品の特徴をアピールするだけでなく、導入の効果や同業種の導入事例、解決策の提案などを行い付加価値を高めることが必要です。

そのためのツールとして動画やファイルを使用する際にも、デジタルアセット管理システムは一役買ってくれます。

プレビューにおける無駄なコストの削減

依頼して作成してもらったファイルが、有料アプリケーションが必要なファイル形式で納品されることもしばしば直面します。

例えば、コンテンツ制作会社の場合、依頼を受けて作成したコンテンツがaiファイル(Adobe illustrationアプリ専用のファイル形式)で納品されてしまうケースがあります。
この場合、コンテンツを受け取った企業ができることは限られています。

  1. プレビュー可能なファイル形式に変更してもらうために追加料金を支払う
  2. 自社でaiファイルをプレビュー可能にするためにIllustratorを購入する

いずれにしても費用がかかる問題になるので、企業としては頭を抱える問題でもあります。

例えば制作会社に合わせてphotoshopとIllustratorを1年間サブスクリプションすると、年間で10万円ほどのコストがかかります。そのコストを削減しながら、いままでのコンテンツ管理の手間を省けるのがデジタルアセット管理システムです。

デジタルアセット管理システムを導入していれば、基本的によく使われるファイル形式であればプレビューが可能です。
わざわざ適したソフトウェアを購入しなくても、様々な企業がそれぞれのファイル形式で納品したとしても問題なく受け取り確認をすることができるので重宝されています。

デジタルアセット管理で業務を効率化


社内のさまざまなパソコン内に会社のデジタルコンテンツが散在していると、コンテンツを見つけ出すのだけでも相当な時間がかかってしまいます。オンラインマーケティングが流行している現代において、デジタルコンテンツ業務の進みが遅いと致命的な遅れに繋がることも。

デジタルアセット管理でコンテンツを一元管理したとしても、コンテンツ量が多くなればなるほど人的負担は大きくなり、画期的な業務効率化は図れません。

デジタルアセット管理システムを使えば、クラウドでのコンテンツ管理が可能になり、人的負担を軽減することができます。またクラウドとAIを相互的に作用させることによって、デジタルコンテンツ関連業務の徹底的な効率化ができるようになるのです。

これからまだまだ成長を遂げるであろうデジタル領域で後れをとってしまわないよう、しっかりと対策をしておきましょう。

この記事はさんが執筆しました

デジタルアセット管理(DAM)とは|システムを利用して業務効...

関連記事