株式会社あかがね 音楽担当のせんちゃんです。
連載「仕事で大切なことはみんな音楽が教えてくれた」第2回目、
「自動演奏ができるんだもん、自動組版だってできるさ」です。
弊社あかがねはカタログ・取説の制作会社。
DTPソフトを使用したデジタル組版にて、様々なお客様の販促物を制作しています。
弊社の大きな特徴としては、10年以上前から、システムと組み合わせた「自動組版」に取り組んでいるところでしょうか。
工作機械や工場製品などのカタログを作っている関係で、お客様の製品スペックなどの「データ」を紙面に落とし込んでいくケースが多いため、以下のような力が必須となってきます。
そういう背景&社内のシステム部門との連携で、「自動組版」に取り組んでいった経緯がありました。
現在「Pimlus」のように、PIM(商品情報管理)と自動組版を組み合わせた商品を開発~販売しているのも、自然な流れですね。
さて自動組版の仕組みは、ざっくり絵にするとこんな感じです。
部品、という名の様々なデータを、想定した位置にはめ込んでいき、紙面を形成していく。
これって前回ご紹介したような「打ち込み」と同じですね。
ただし今回はもう一歩踏み込んで考えると、、、
「自動」というのは、何か魔法みたいな響きを感じさせます。
自動で動かす段階に入ったとき、最後にやることは「実行」ボタンを押すこと!なので、
これを押すと、おぉ一瞬で紙面ができ上がっちゃった!となるわけです。
なんてステキ!!!
・・・でもね、そのための部品の準備って、実は結構大変で。
あっちの仕様書からこの情報を持ってきて、こっちの仕様書の中身とその隣の仕様書の中身をマージして、そっちの図面を変換すると同時にその中のスペックを一覧表にして、これとこれとこれとこの部品を組み合わせた価格を作成して、手書きのイラストをトレースしてイラストを作成し、必要な画像のリサイズ&解像度の調整を1000点一気にバッチ処理して、本文のテキスト内容をライティングし、フォーマットのCSVを作り込んでいき、ページのテンプレートの設計~調整をして、各データがきちんと収まるところに収まるようにパラメーターを設定して、、、
といったふうに、実はかなりの量の事前準備や仕組み作りが必要だったりするわけです。
これって「打ち込み」による「自動演奏」の際にも、
同じような状況がありました。
この音はあっちの音源のベースの音、これはあっちの音源のオルガンの音、のみならず、それはあっちの音源のストリングスとこっちの音源のベルの音を混ぜて、この音はこんな感じが良いからこの音源増やして、、、といっただんだん増えて複雑になっていく大量の音源をマージするのに、それぞれの音のOutputを集約するためにミキサーを準備して、それをPCから操作するために全ての音源を集約するためのパッチに専用のケーブル(MIDIケーブル)で繋いで、今度は各音源にチャンネル番号を振り分け、PCのソフトウェアからそのチャンネルを指定して、各音源の音色リストをPCに取り込んで、、、
なーんてことをしていました。
眉間にシワも寄るってもんです。。。
あーわからん!というのを整理すべく、
こんな配線図を書いていましたよ。
こんな感じで整理をして、実際の機材を使いやすく並べ、
それをPCに取り込むことで、
初めて自動演奏が可能になったわけです。
※今はこの音源がほぼほぼ全てPC一台の中で動いちゃうんですよ。。。なんてすごい時代になったものだ。。。
なお、今ではもう随分手放してしまったので、残っているのはエレピと音源一つくらいです。
これらは、粛々と複雑な配線を組み上げてきた経験が、
しっかり役に立っています。
そんな準備くらいじゃ挫けないですし、むしろ入社時に「自動組版をやりたいですっ!」を熱く語ったりもしました。
さて、今日もPC立ち上げて、データの整理始めましょうか。
次回は「イベントライブの仕切りは、工程設計なんだね」です。