スマートフォンの顔認証や自動運転システムなど、私たちの身近な生活にも、画像/映像認識技術の普及が進んでいます。
とはいえ、「画像認識やディープラーニングなんて、自分の仕事には関係ない」と考える人がほとんどではないでしょうか。
しかし、もしも最先端の画像認識の技術が、実は普段の仕事にも活用できるとしたら…なんだかワクワクしませんか?
そこで今回は、技術者でなくても気軽に触れられる最新画像認識サービス「Google Lens」の知らなきゃ損なビジネス活用事例7選を紹介します。
ぜひ明日から仕事に活用して効率UPを目指しましょう。
Google Lensは、Googleが開発した画像認識アプリケーションです。
スマートフォンのカメラを使って、現実空間の物体(ヒト・モノ・文字など)を識別し、関連する情報をインターネットで入手することができます。
Google Lensには、ドキュメントスキャン(文字認識)機能、ロケーションスキャン(現在地認識)機能、自動翻訳機能、ショッピング機能などがあります。
どれも便利な機能ですが、今回は、「普段の仕事での活用できる」という観点から、具体例を紹介していきます。
Google Lensには、高精度の文字認識機能があり、活字・手書きを問わず、文字を認識して、テキスト情報に変換することができます。
ディープラーニング(深層学習)という仕組みを用いて、日進月歩で性能を高めています。
”機械学習は、分析したデータの特徴を表現する「特微量」という数値を人間が設定する必要がありました。ですが、ディープラーニングは読み込んだデータのパターンを分類し、法則性を発見するだけではなく、特微量もコンピュータが自動で設定して学習することができるのです。
ディープラーニングが自動で特微量を設定できるようになったことは、画像認識や自動翻訳などの技術が大きく飛躍した大きな要因の1つなのです。”
Google Lensでスキャンした文字列を即座に検索することができます。
手順はとても簡単です。
「検索」をタップして、検索モードに切り替えます。
本の表紙にカメラを向けて、虫眼鏡のアイコンをタップします。
すると、表紙のテキスト情報が自動で認識され、Amazonの販売ページなどが検索結果としてヒットします。
とても簡単ですよね。検索に文字入力すら必要ない時代が、すでに到来しているのです。
Google Lensでスキャンした文字列を、PCのクリップボードに転送することもできます。
こんどは、本文をスキャンしてみます。
「文字」をタップして、文字認識モードに切り替えます。
本のページにカメラを向けて、Google Lensが対象のテキストを認識していることを確認します。
文書のアイコンをタップすると、「画像の中にテキストが見つかりました」というメッセージが表示されるので、「すべて選択」アイコンをタップします。
「パソコンにコピー」というアイコンが表示されるので、タップするとコピー先として選択可能なパソコン一覧が表示されます。
コピー先のパソコン名の右の「選択」アイコンをタップすると、パソコンのクリップボードにテキストがコピーされます。
これで、パソコンのクリップボードから、任意のアプリケーションにテキストを貼り付けて、自由に編集、保存することができます。
活字だけではなく、手書きの文字も認識できるので、ホワイトボードや手書きのメモを共有するときにも役に立ちます。
画像のままでは、検索や編集ができないので、テキスト化できるのはとても便利ですね。
Google Lensでスキャンした文字を音声で読み上げることもできます。
文書のアイコンをタップすると、「画像の中にテキストが見つかりました」というメッセージが表示されるので、「聴く」アイコンをタップすると、認識されたテキストが音声で読み上げられます。
文字認識機能が注目されることが多いGoogle Lensですが、文字認識機能以外にも、数々の便利な機能があります。
普段の仕事に役立つ機能を厳選して、利用シーン別に活用事例を紹介します。
「目的地付近に到着したが、どのビルだろう?」と悩むことありませんか?多くのビルが集中しているエリアでは、目的の建物を探しにくいですよね。実際にビルに入って、テナントサインなどで確認してみないと、建物名が分からないこともしばしばです。
Google Lensの場所認識機能を使うと、カメラでスキャンしたビルの詳細情報が確認できるため、迷うことなく目的の建物に向かうことができます。
手順は以下の通りです。
「場所」をタップして、場所認識モードに切り替えます。
目的の建物にカメラを向けて、場所のアイコンをタップします。
建物が自動認識され、名称と概要が表示されます。
場所のアイコンをタップすると、その場所の詳細情報が表示されます。
出張先など土地勘がない場所では、ランドマーク(目印)となる特徴的な建物を方角の目安にすることがあります。
そんなとき、「あの高層ビルの名前って、なんだろう?」と思うことはありませんか?建物の名前さえ分かれば、Google マップで検索することもできるからです。
Google Lensを使えば、遠くからでも建物の名前を確認できますので、必要に応じて詳細情報を検索することもできます。
ラベルや説明書の全部または一部が外国語であること、ありますよね。
テキストデータであれば、Google 翻訳にコピー&ぺーストすればよいですが、実物となると外国語を目視確認し、手入力する必要があるので手間がかかります。
言語によっては解読不可能であり、そもそも入力できないケースもあります。
そんなときGoogle Lensを使うと、翻訳元の言語を自動識別して、翻訳後の日本語を実物に対応した位置に表示することができます。
具体的な手順は、以下の通りです。
「翻訳」をタップして、翻訳モードに切り替えます。
翻訳のアイコンをタップして、翻訳するテキストが含まれる写真を撮影します。
認識された外国語のテキストに対応する日本語が表示されます。
翻訳したテキストをGoogle 翻訳で編集することもできます。
機械翻訳としてはかなり精度が高いものの、翻訳が不自然なこともあります。
意味を把握するだけであればそのままで差し支えないですが、顧客向けに使う場合には適宜修正したほうが良いでしょう。
外国人のゲストが来日した際、案内文などを翻訳する際などにGoogle Lensが役立ちます。
方法は簡単。Google Lensの翻訳機能を使い、日本語の文章を撮影して、画面キャプチャを撮るだけです。
Google Lensは多言語対応しているため、英語以外の外国語にも翻訳することができます。
ゲストの母国語が英語以外の場合、まさか母国語の翻訳が提供されるとは想定していないでしょうから、ちょっとしたサプライズにもなります。
ぜひ、試してみてください。
読むだけではなくて、検索まで瞬時に行うことができます。
さらに、キャプチャを送ることで簡単に共有できるため、「この看板があるところを右折」というような詳細なコミュニケーションを円滑に行うことができます。
「これ、なんのACアダプタだっけ?」備品の棚卸で、詳細がわからない製品が見つかること、ありませんか?
Google Lensを使えば、製品の情報が一瞬で検索できますので、社内備品の整理が簡単にできます。
方法としては、まず「ショッピング」をタップして、ショッピングモードに切り替えます。
ショッピングのアイコンをタップして、製品の写真を撮影します。
認識した写真に類似する検索結果が表示されます。
検索結果をもとに、製品の詳細を備品台帳に入力することができるほか、同一商品のリピート購入もすることもできます。
実店舗で物品を購入する際、「WEBとどっちが安いかな?」と思うことありませんか?
しかし、商品名を手入力して検索するのは、面倒ですよね。そこで、Google Lensを使うことにより手軽に価格の比較ができてしまいます。
すでに説明した通り、写真を撮るだけですので、手入力で検索するより圧倒的に早く、簡単です。
Google Lensは、ビジネスでも活用する余地があるサービスです。
文字認識機能が広く知られていますが、場所認識、自動翻訳、ショッピングなど、有用な機能が数多くあります。
ディープラーニングやニューラルネットワークという言葉自体は敷居が高く感じますが、それらの技術を活用したGoogle Lensのようなサービスは、普段の仕事にも手軽に活用できるものです。
最先端の画像認識技術を無料で活用して、さらなる業務の効率化を図りましょう。